森永卓郎の「マイクロ農業」のすすめを読んでみての感想

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森永卓郎氏が提言するマイクロ農業とは何なのかといえば、家庭菜園でしょうか。それより一歩進んで、兼業農家ですね。さらにいえば、都会ではなく、田舎でもなく、都会と田舎の中間地で農業をすることです。自宅の近くのちょっとした農地を人から借りるのもありです。

 

日本人が恐れを抱いている不安って、お金のことなのですが、具体的に言えば、衣食住だと思うのです。病気や事故はどうしょうもないので、それはあきらめるとして、食べれなかったり、住むところがなかったり、着るものがないというのが不安の元凶です。

 

ただ、着るものがない、というのは、今はほとんどない状況ですよね。お店に行けば、安くて、いい服がたくさんありますし、そもそも服は長持ちするので、何年も着られます。だから、大問題なのは、食べることと住むことです。安心して、食べられて、住めれば、不安はだいぶ減るはずです。

 

思うのですけど、富豪のような豊かな暮らし、贅沢な暮らしって、無駄なことが多いんですよね。美食に走って、肥満になり、ジムに通ったり、健康器具を買う、無駄ですね。そもそも美食を食べなければいいのです、粗食を食べていれば、太ることもないし、無駄に運動することもないでしょう。あるいは、無駄に広い家に住まなくてもいいはずです。

 

富豪の暮らしと貧民の暮らしは似ている、みたいな話がありますが。そもそも論として、富豪の暮らしを目指さなくてもいいような気がします。富豪も富豪で大変なことがあるんだと思います、そこに目を向けないで、いいことだけを見るからおかしいことになるような気がするのです。つまり、成長を目指すのはやめよう、ということです。

 

ただ、貧民の暮らしはきついので、そこからは脱出したいですね。お金がないこと、仕事がないこと、家族がいないこと、健康ではないこと、そういうのはよくないです。個人的にもよくないし、社会的にもよくないです。貧民で幸せでいられるのは、なかなか難しいので、貧民はやめたほうがいいです。

 

富豪にも貧民にもならない。それじゃあ、何になるのかといえば、庶民です。庶民って、庶民なりの気安さと楽しさがあると思うのです。いいこともあるけど、わるいこともある、そういうのをそこそこ引き受けて、人生を楽しんでいこう、みたいな発想ですね。で、実際に何をやるのかといえば、農家です。

 

農家をやると、とんでもない量の収穫を得ることがあります。自分ひとりだけでは食べきれない、家族でも食べれない量ですね。だから、周りの人に配ったり、売ったりする、そういうのが生きる楽しさだと思うのです。あるいは、収穫物を加工して、何かを作るというのも楽しいでしょう。

 

あと、農業って、人と対面するのではなく、自然と対面する点もいいところですね。対人関係で苦しんでいる人もたくさんいると思うのです。ストレスを多く抱えている人は、土いじりで心身の回復を目指すのもいいことだと思うのです。こういうのは、誰か誘ってくれる人がほしいところです。

 

本書を読んでみると、今までの資本主義が抱える問題がいくつも書かれているので、一度読んでみるのもいいかなと思います。アマゾンとかのGAFAもよくないですね。やはりアメリカ主義から脱却する必要もあるのではないでしょうか。日本からいいサービスが出てこないかなと期待します。

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