将棋のプロ棋士になるためには、基本的には奨励会というプロ棋士の養成機関に入る必要があります。まぁ、今まさに、奨励会に一度も所属したことがない小山怜央アマという方がプロ編入試験に挑戦して、しかも、プロ棋士の徳田拳士4段に勝利したという。徳田拳士4段、今期の最高勝率を上げていて、中原誠十六世名人の長年の記録を塗り替える人かもしれない人なのですよ?
まぁ、話がおかしいことになったので、元に戻ります。とりあえず、基本的にはプロ棋士になるためには、奨励会というところに入る必要があります。そこで勝っていけば、4段になれて、プロデビューという感じなわけなのです。そのことを詳しく書いた本です。
著者の橋本長道さんは15歳のとき、奨励会6級で入ったみたいです。ちなみに、橋本さんは渡辺明名人と同年齢だそうです。なお、藤井聡太竜王は15歳のときに、プロデビュー後29連勝してたみたいです。もうね、中学生でプロ棋士になった人たちが、ブイブイ言わしている現状なのですよ、将棋界は。
しかし、橋本長道さんに才能がないわけではなく、中学生の頃、中学生王将戦で優勝されたらしいですし、神戸大学にも合格されたそうですし、金融機関にも就職されたようですし、第24回小説すばる文学賞を取られたそうですし、ある意味、凡人ではない才能の塊の人間の部類だと思います。
この本は、リアルなプロ棋士の収入も書かれていますので、大人も子供もいろいろと参考になると思うのですよ。ただし、問題なのは、現状では藤井聡太竜王をどうにかして倒すという気概を持たないと、プロ棋士になってはいけないような気がします。しかも、1回だけではなく、番勝負で連続して勝つ必要があります。
将棋はいいゲームだと思いますので、なんだかんだいって、なくなることはないと思います。むしろ、高齢化の世の中、平和な世の中だと、将棋人気も高まる可能性がありますね。お年寄りでも子供でも対等に戦える点が、他のゲームにはない良い点だと思います。お金もあまりかからないですし、時間もあまりかからないところがまたいいですね。
奨励会って、どんなことをしているのか、よく知らなかったですけど、この本を読むと、肌感覚で理解できました。その意味で、著者の記憶力と記述力が優れているのだと思いますね。若き日の豊島九段や糸谷八段が出ていたあたりは、おぉっとなりました。あと、奨励会って、月のお金がかかるようになったみたいですね。その意味で、将棋の学校?みたいなところですね。
で、どうすれば、プロ棋士になれるのかといえば、アマチュア5段に小学生のうちになって、将棋の勉強を1日10時間して、全国の将棋大会で優勝すればいい、という結論に私の中でなりました。そして、奨励会に入って、中学生のうちに4段プロデビューがベストですね。いや、だいぶ無理すぎる話なのですが、実現できた人がいますし、そうじゃないと、名人になるのが難しい気がします。
プロ棋士について知りたい人、プロ棋士になってみたい人にはおすすめの本だと思います。
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