菊池真理子の毒親サバイバルを読んでみての感想

毒親サバイバル

菊池真理子っていう人の名前に引かれて、この本を手にとってみました。菊池真理子さんの第一作目の「酔うと化け物になる父がつらい」という本を読んで、衝撃的だったからです。中毒というのは怖いものですが、アルコール中毒は怖いなと改めて思いましたね。

 

自分や自分の家族がお金持ちだったらいいな、とか、美人だったらいいな、とか、才能があればいいなとか、普通の人だったら思うじゃないですか。ところが、この本を読むと、その幻想が見事に打ち砕かれます。普通って、なんていいものだろうと。メディアの嘘というか、地に足が立ってない幻想に気づかされます。

 

あ、この本は20歳以上の人が読んでください。未成年の人はあまり読まないほうがいいような気がします。物事の分別が付く、そして、世の中の常識をわきまえた人が読むといいと思います。ちょっと書いてる内容が衝撃的な部分があるためです。なんというか、汚い現実というか、見たくない社会が映し出されています。

 

この本に登場する人物に足りないものは、余裕と愛なのかなぁ、と思ってしまいました。余裕がないから、ギスギスして、束縛したり、相手を責めたりしてしまうんだろうなと。そして、どの人も求めているものは愛なのかもしれません。誰もが自分のことを大切にされたい、大事にされたいのでしょうね。

 

あと、人間やられたものは、どこかで仕返ししてしまうという法則性もあるので、どこかしらでどうにかしていけないんだろうなと。アダルトチルドレンという言葉が昔はやりましたが、まさにそういうことなんでしょうね。自分がやられないこと、かわすこと、避けることも大事ですね。

 

それと、中毒になってしまうものはやはり気をつけておく必要があります。人間は強くはなくて、人間は弱いものなので、つらいことがあれば、弱いほうに流れてしまうのが人間の習性というものでしょう。強者ではなく、弱者をかばう方向で進むほうがいいかなと。

 

何が危険なのかといえば、実際にこの本を読んでもらえるとわかると思います。危険なものには近づかないこと、触れないこと、興味を持たないことが重要でしょうか。人間は弱い存在ともいえるものなので、中毒になりえるものには注意が必要です。中毒になると、なかなかそこから抜け出すのは難しいです。

 

菊池真理子さんの本は、リアルさを感じながらも、コミカルな表現で描かれているので、微妙に救いがあるような、無いような。厳しくて、不条理な現実をぎりぎりのところでうまく描いているような気がします。社会提言をしている点で、この本は意味のあり、意義のある本であると思います。今後の作品にも期待したいですね。

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